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ope体育_ope体育app|官网3年度 ope体育_ope体育app|官网 学位記授与式 学長式辞(2022年3月4日)

2021年3月4日、令3年度 ope体育_ope体育app|官网 学位記授与式を開催しました。




 

ope体育_ope体育app|官网3年度 学位記授与式 学長式辞 (2022年3月4日)

学長?鈴木宣也

修了を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。教職員とともに、皆さんの修了を心よりお祝い申し上げます。また、皆さんを支えてこられましたご家族や関係者の皆さまへも、お祝い申し上げます。

さて、皆さんは、ope体育_ope体育app|官网感染症の蔓延という未曾有の厄災のなかで、入学当初より、制約を受けながら、授業や研究をすごされました。入学前まで全く予期していなかった経験をされたことでしょう。最初は校内に自由に入ることもままならず、大半の授業がオンラインとなりました。また、授業のみならず、日常的な語らいも対面では自由にできない、つらい日々を過ごしたことと思います。大学としてもこの想定外の事態の中で、皆さんの支援のために教職員ともども、様々な対応をしてきました。そのような中、皆さんは本当によくがんばったと思います。ここにあらためて感謝します。

そのような状況の中、ソフトウェアの進歩により、オンライン授業が実施され、場合によっては対面授業より効果的ということもあったかもしれません。一方で、これまで気にしていなかった、人と人との直接的なコミュニケーションの中に、実は非常に重要なことがあったのだと気付いたこともあったと思います。それは、身体性や、空間、時間を共有することによる共感のような、他者への思いやり、あるいは配慮といったものではないでしょうか。私たちは五感という全ての感覚を用いて無意識のうちに、その場のあらゆる情報を感知するだけではなく、話し方や仕草、状況や話しの文脈など、それらを総合して対話的コミュニケーションをおこなっています。皆さんの修士研究や作品において、こうした人を扱う、あるいはコミュニケーションに関することがテーマの中に見え隠れしているように感じました。皆さんがこの状況を敏感に捉えた結果なのかもしれません。そこで、これを契機として、人と人との細やかで豊かな関係性を育むこと、特に、修了する仲間や、IAMASに関係する仲間など、共感し合える人たちと、今後を生きる上でかけがえのない関係を大事にしてください。そしてこれまで以上に人と人との細やかで豊かな関係性と対話を大切にしていかれることを願っています。

また、こうした想定外の出来事がこれからも頻繁に起こるかもしれません。感染症のみならず、気候の環境変動や食糧危機、あるいは経済危機など、社会全体が大きく揺らぐ可能性があります。そのような世の中を生き抜くには、真理を見極めながら、変わり続ける環境への対応力が要求されるのではないでしょうか。皆さんの中には、社会人経験者も多くいます。また多様な学部からこのIAMASに飛び込んできた人もいました。分野や専門を変えたり、領域を超えていくことをされてきたと思いますけれど、これらは一つの環境変化を経験しているとも捉えられるわけで、このIAMASにて経験したことの一つではないかと思っています。もちろん感染症の制約への対応も一つの大きな経験となっているはずです。こうした激動する環境下において、変化への対応力は必ず重要な能力となるでしょう。そこで大事になってくるのは、自分を見失わないことだと思っています。変化に振り回されることなく、よく自分に向き合いながら、この困難な世の中を生き延びることが、皆さんには必ずできるものと信じています。

皆さんがこのIAMASにて身につけたことは変化への対応力だけではありません。さらにIAMASにおける核心となることを身につけているからこそ、修了できたのだと思っています。それは、皆さんが「自分で考えること」つまり、そこに批判的な思考が身についているのだと考えています。ここで言う批判的とは、他者を非難するとか、攻撃するという、否定的な意味ではありません。物事を鵜呑みにするのではなく、物事を細やかに観察?調査し、自らの思考プロセスも含め検証することによって、その真理は何か、慎重に検証を重ね見極めることです。問題自体を見つけることも難解で、問題解決がまた別の問題を生むというような、社会が複雑化している状況だからこそ、多様な見方が求められているのです。むろん、正解などないに等しく、そうした中で、皆さんは、研究テーマを自ら立て、修士研究を進め成果を出しました。その成果はまだまだ小さなものに過ぎないかもしれません。しかし、その小さな中には、それぞれの分野において、皆さんが自律して考え、さらに、実践することを修士研究で見せてくれました。皆さんは、この考える力、批判的な思考が身に付いています。この考える力を使って、自信を持って社会を牽引していって欲しいと思います。また、論文を書かなくても、研究し続ける姿勢こそが未来を切り開くためには重要だと思います。是非、研究し続けてください。

最後に一言。美味しいものを食べて、健康を大事にしましょう。
皆さん、本日はおめでとうございます。